CS:APP pp.210-224 2の補数によるエンコーディングについてのまとめ。

<h1>2の補数によるエンコーディングとは</h1>
<p>多くのコンピュータにおいて、符号付きの整数は2の補数形式(&quot;<em>two's complement</em> form&quot;)で表現される。この方法ではbitの最上位の桁に負のweightを与えることによって負の整数を表すことができる。</p>
<p>w bitで整数を表現するとき、2の補数によるエンコーディングにおいて最上位bitの重さは- 2^{w-1}である。</p>
<p>例えばbit列0b1100は2の補数形式によって-2^3 + 2^2 = -4のように解釈できる。</p>
<ul>
<li>最大値は「正の重さを与えられているbitのみが全て立ったbit列」で表現された値である。4bit列で表現するなら最上位桁以外が1である
0b0111が最大値に対応する。</li>
<li>最小値は「負の重さが与えられているbitのみが全て立ったbit列」で表現された値である。よって0b1000が最小値に対応する。</li>
</ul>
<p>2の補数形式における最大値、最小値の関係において特筆すべきことはその絶対値のとる範囲が非対称であることである。（最大値の絶対値を取ったとき、最小値の絶対値よりも1小さくなる。例えば4bitを2の補数形式で解釈すると最小値は-8で最大値は7となる。）これは2の補数形式ではbitパターン半分を負の数に割り当て、半分を（正の数ではなく）非負整数に割り当てていることに起因している。</p>
<p>C言語の仕様では、符号付き整数を2の補数形式で表現する決まりはないがほぼ全てのマシンで2の補数形式を採用している。</p>
<h2>符号付き整数の他のエンコーディング方法</h2>
<ul>
<li>ones' complement
最上位bitに-(2^{w-1} - 1)の重さを与える。</li>
<li>sign-magnitude
最上位bitはたんに正負を表す。</li>
</ul>
<p>どちらの表現方法でも0として+0と-0が存在する。</p>
<h2>参考文献</h2>
<p>Bryant, R. E., O'Hallaron, D. R. (2016). Computer Systems: A Programmer's Perspective. Pearson.</p>


Two's Complement Encodings