2の補数表現から符号なし整数への変換について次の式が成り立つ。

TMin_w \leq x \leq TMax_w\text{について} \\ T2U_w(x) = \begin{cases} x + 2^w & x < 0 \\ x & x \ge 0 \end{cases}

例えば $w = 4$ のとき $TMin_{4} = -8, TMax_{4} = 7$ である。このとき具体的に値 $x = -4(\text{これは}TMin_4 \leq x \leq TMax_4\text{を満たす。}）$ を考えると、確かに上の式が成り立つことがわかる。 $(x < 0\text{のとき})$

もう少し一般的に考える。
Two's complement formで表現された値xについて $x < 0$ のときそのbit列は必ず0b1??...??の形をとる。（最上位のbitが1であることが確定している。）??...??に対応するのは正の整数でありこの整数を $a$ とおく。
$a$ は $0 \le x \le 2^{w-1} - 1$ である。
結局 $x < 0$ のとき $x = -2^{w-1} + a$ と表すことができる。
またbit列0b1??...??はunsigned formにおいて、 $2^{w-1} + a$ で表されることになる。
つまり、 $x < 0$ のとき $T2U_{w}(x) = 2^{w-1} + a$ である。
今、確認したいことは $x < 0$ のとき $T2U_{w}(x) = x + 2^{w}$ が正しいかどうかである。これは結局 $x + 2^{w}$ が本当に常に $2^{w-1} + a$ と一致するかどうかを確認すればよい。
$x + 2^{w} = (-2^{w-1} + a) + 2^{w} = 2^{w-1} \cdot (2^1 - 2^0) + a = 2^{w-1} + a$ より確認できる。
$x > 0$ の場合も確定するbitと確定しないbitに分けて考えるとよい。

まとめ

2の補数形式で表現された負の整数を符号なし整数に変換すると大きな数になる。（これは負の整数は最上位のbitが1であることに起因する。）
2の補数形式で表現された正の整数は符号なし整数に変換しても値は変化しない。

2の補数形式の整数から符号なし整数への変換について